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人を大切にする経営~人が輝く組織をつくる100人の社長の物語:脇阪麻水さん ~

2026年3月22日

人を生かす経営が、地域の未来を育てていく

~ 株式会社脇阪( 訪問介護おっは~管理者) 脇阪麻水さん ~

株式会社脇阪(訪問介護おっは~)は、訪問介護や障害福祉を中心に、一人ひとりの暮らしに寄り添う支援を行っている会社です。利用者の生活を支えるだけでなく、地域とのつながりを大切にしながら、福祉の枠を超えた活動にも取り組んでおられます。

今回お話を伺っていて印象的だったのは、脇阪さんが常に「人とのつながり」を軸に経営を考えておられることでした。
利用者との関係、スタッフとの信頼関係、そして地域の人々との結びつき。
そのどれもがとても温かく、人の関係を大事にされていることが伝わってきました。

🔳 脇阪さんが会社を設立されるまで

もともとは保育士を目指しておられた脇阪さんですが、実習をきっかけに障害福祉の分野へ進まれます。
その後は、家庭の事情で生活を支えなければならない状況の中で、さまざまな仕事を経験されました。
福祉の現場だけでなく、料理教室の営業職や水道局のアルバイトなど、必死に働きながら道を切り開いて
こられました。
特に福祉の現場では、理想と現実の間で何度も苦しい経験をされたといいます。

改善すべきことを訴えても受け入れられない組織
不当に低い賃金
人間関係の摩擦

それでも脇阪さんは、その苦労を恨みや諦めに変えるのではなく、
「では自分はどうしたいのか」
「本当に必要な支援とは何か」
を問い続けてこられました。


大きな転機となったのは、知人と立ち上げた一般社団法人での出来事でした。
事業の方向性をめぐる対立から、最終的には組織を離れることになったそうです。
普通なら大きな挫折として終わってしまうかもしれません。
しかし脇阪さんは、それを独立のきっかけへ変えていかれました。

2016年、お父様を代表取締役として会社を設立されました。
そして2か月後、訪問介護おっは~を立ち上げたのです。



🔳株式会社脇阪(訪問介護おっは~)の魅力

訪問介護おっは~の魅力は、何よりも「人が定着していること」に表れています。
福祉業界では人材の定着が難しいと言われる中で、脇阪さんの会社では正社員の
定着率が非常に高く、会社設立後、正社員で退職したのはわずか1人だけ。驚きです。
その理由を伺うと、そこには脇阪さんご自身のつらい経験が生きていました。

◆「自分が嫌なことはスタッフにはしない」

かつて家族の介護のために休みを取りたくても認められなかった経験から、
「自分が嫌だったことはスタッフにしない」
と決めておられるのです。
制度や仕組みの話にとどまらず、自分の痛みを土台にして、スタッフが働きやすい
環境をつくっている。その真摯さが、高い定着率につながっているのだと感じます。

◆スタッフの個性や強みを生かす

また、スタッフの個性や適性を見極めながら「適材適所」を大切にしている点も印象的
でした。
訪問介護は一対一の関わりだからこそ、相性や信頼関係がとても重要です。
人手不足だからと無理に合わせるのではなく、その人らしさを生かせる場所を考え
る。
ここにも、脇阪さんの「人を大切にする経営」が表れています。

◆人とのつながりを大切にする

会社設立時は社員7人から始まりましたが、10年目を迎える今年は社員21名に
なっています。
どこの会社でも今の悩みは「人がいない」という問題ですが、その解決のヒントは、
「人とのつながり」にありました。
苦労した福祉業界で働いていた時の仲間、料理教室で働いていた時の先生、他のデ
イサービスで働いていた方などが、仲間として集まってきたそうです。
それは、脇阪さんが福祉の現場で「福祉」や「自分の理想」と真摯に向き合ってこられ
た姿に共感した方々がいたという証なのだと感じました。

🔳奈良県中小企業家同友会での学び

さらに、同友会での学びが「経営者としての視野を大きく広げた」と語られました。
数字について全く無知だったけれど、会社経営に必要な数字について周りの方が多く
のアドバイスをしてくれたそうです。


また、数字だけでなく
「地域に対して何をしているか」という問いは、脇阪さんにとって非常に大きかったよ
うです。

その問いをきっかけに始まったのが、子ども食堂でした。
虐待や困難な家庭環境にある子どもたちと関わる中で、「困っている」と言える場所の
必要性を痛感し、地域の中にその居場所をつくろうと動かれたのです。
これは福祉というカテゴリー外の活動であり、会社の利益とは直接結びつかない取り
組みです。
それでも、自分にできることは何か、地域にとって必要なことは何かを考えた上での
決断でした。
その決断に、脇阪さんの温かさと、本当の意味での地域貢献の姿を見たように思い
ました。


脇阪さんは、厳しい経験をたくさん重ねてこられた方です。
それでも、その経験を苦しみのままで終わらせるのではなく、スタッフの働きやすさや
利用者へのより良い支援、そして地域の未来づくりへとつなげておられます。
そこに私は、脇阪さんの経営者としての強さとしなやかさを感じました。


経営者として数字に向き合いながら、人をないがしろにしない。
むしろ、人を生かすことこそが会社の力になると信じて実践しておられる。

そして福祉サービスという事業の枠を超えて、
脇阪さんの経営は、人と地域の未来を育てる営みなのだと感じました。

利用者のために。
スタッフのために。
そして地域の子どもたちのために。


できることを真っ直ぐに考え、形にしていく。
その一つひとつの積み重ねが、地域に安心と希望を生み出しているのだと思います。


脇阪さんのお話から、「人を生かす経営」とは理念ではなく、
日々の選択と実践の積み重ねなのだということを改めて教えていただきました。

そして強く印象に残ったのは脇阪さんの存在感です。
明るくて、元気で、エネルギッシュ。
そして、説得力のある話し方。


「この人と一緒にいると、難しいことでもなんとかなる。」
そう思わせてくれる力強さと情熱を感じる、魅力あふれる方でした。

脇阪麻水さん
(株式会社脇阪 訪問介護おっは~管理者)